1976年6月1日
God’s Hope for America: 1976-06-01(English)
「ゴッド・ブレス・アメリカ」フェスティバルにおける講演より
無私の精神を貫いた歴史上の人物
アメリカの優れた市民および世界からの誉れ高い代表者の皆さま、私は今晩皆さまがたに「アメリカに対する神の希望」という題でお話ししたいと思います。その前に、私は今日このように記録的な盛況をなすまでに皆さまがたがおいで下さったことに心からの感謝を表したいと思います。
さて私達は、ここ大ヤンキー・スタジアムでアメリカ建国二百年を祝うために集ってまいりました。
今年の数多くの祝賀行事の中で、私達のヤンキー・スタジアムでのフェスティバルは次の二つの理由でユニークなものであります。それはまず第一に、私達が神の御名によって集まってきたということ。第二には私達はここで国際的なお祝いを行っているということです。
今日、私達はあらゆる個人、あらゆる国家を世界の不可欠の要素として見なければならない時代に生きております。この私達の世界には基本的に二種類の生き方があります。その一つは利己主義的な生き方で、もう一つは、人が自分のことや自分の家庭、そして自分の生活以上に国家や世界というより大きな目的のために生きる、非利己主義的な生き方です。歴史を通じ、その東西を問わず、重要な役割を果たした人間は、公的精神を持ち、あるいは無私の精神を持った人々でありました。歴史上の正義の男性、女性そして聖人達は、自己を捨て、神や人類のために自分自身を犠牲にした人々であります。事実イエス・キリストはそのような正義の人の最高の実例でありました。
しかし、最も自己意識を持たず、最高の公的精神を持ったお方は、まさに神であります。人類が神に反逆した時、神は復讐をするのではなく、むしろ人類を許されました。そして神は罪深い人間を罪から救いへと引き上げるべく倦むことなく働いてこられています。救いのわざを行うために、神はその独り子イエス・キリストを地上に送りました。神はその独り子を犠牲にしてまで世界を救おうとなさいました。神はまた、イスラエルを選民国家としてたてられました。選民国家をたてられた目的はまた、世界を救うためでありました。また神は同じ目的-世界を救うためにキリスト教を立てられたのです。
聖書のヨハネによる福音書三章十六節には「神はそのひとり子をたまわったほどに、この世を愛して下さった。それは御子を信じる者がひとりも滅びないで、永遠の命を得るためである」と書かれています。この世界こそが神の目的であることを覚えておいて下さい。ちょうどイエスが世界を生かすために、その生命を喜んで献げたように、神はすべてのクリスチャンが世界の救いのために自分自身を喜んで献げることを望んでおられます。しかしながら今日、世界のクリスチャンは神のこの心情を実現しようとする努力さえしていません。
神は人類が一家族になることを願っておられます。それ故に、神が願われる家庭、教会そして国家は、人種や国籍の障壁を超越したものです。皮膚の色を一つに混じり合わせ、人種や国籍を超越した人々は神の目から見て、最も美しく、神にとって最も喜ばしいものです。
アメリカを見てみましょう。アメリカ合衆国が神により生まれたものであるのかどうかを知ることは、最も重要なことであります。紳士淑女の皆さま、アメリカがまさに神により生まれたというのが私の固い信念であります。あなたの血筋には多種類の血が混じりあっています。かつては敵同志であった国々が、今ではあなたの血の中で一つになっているのです。人種的また国家的壁を乗り越えた個人や家庭が、教会や社会や国家を造るためにともに集うならば、その国家こそが、すべての人々にとって神の理想の国となります。
全歴史を通じ、そのような国はただ一つしかありません。アメリカ合衆国です。アメリカというこのユニークな国が、神の創造であることは明白です。アメリカの人々は、世界のありとあらゆる所から来ております。アメリカ人であるということは、あなたがどのような人種であり、どのような信仰を持ち、どのような文化的背景の出身であるのかということによるものではありません。あなたがたがどこからの出身であるにもかかわらず「これは私の国です」と言えるのは、ただこの国だけです。それがアメリカなのです!!
アメリカは世界の縮小体です。国籍や人種を超えて、アメリカは理想世界のための雛形を造に出しました。神御自身が、神の国アメリカ大陸を、時の満ちるまで文明から意図的に隔離し、そして神はこのモデル国家を建設されたのです。神の摂理の中で、神はアメリカに油を注ぎ、その地に豊かな祝福を注がれました。わずか二百年の間に、神はこの国を地上で最強の国家に育て上げられたのです。
しかし、祝福は決してそれのみではやってきません。それには必ず責任が伴う
しかしながら、皆さまがたの祖先の中にも二種類の人がいました。その一方は、富を求めてこの地にやって来た人々であります。もう一方は、神と自由を求めてこの地にやって来た人々です。彼らは神を中心とした新しい国家の建設を夢みておりました。もし、前者がアメリカ、の主流となっていたならば、異なった人種や民族グループの間での粉争や分裂、闘争は今よりもはるかに大きなものとなっていたことでしょう。そしてアメリカは不義や不正が満ち満ちていたに違いありません。しかし、神はその初めより、これに干渉なさいました。そのため、あらゆる移民の中で、神の義人達がアメリカの指導者としてふさわしい地歩を得ることになりました。世界中のあらゆる異なった人種や国籍の人々が、神を中心とした家庭、教会、そしてアメリカという国家を創建するために、この土地で和合しあいました。アメリカの美しい伝統は皆さまがたの祖先より築かれたのです。
人種や国籍を越えた一家族の世界
あなたがた自身の家庭をごらんなさい。ほとんどの家庭は明らかに国際的な性格を持っています。あなたの血統にはおそらく数多くの異なった国籍が結合されています。………います。もし祝福を受けるものがその責任任を投げだすならば、そのものは神の祝福をも投げだすことになります。その結果、神の御旨は必ず去り、その国家は衰亡いたします。そして、そのような衰亡の兆候が今日のアメリカにおいて明らかになっているというのが真実ではないでしょうか。
愛するアメリカの皆さま、私達にとって悔い改めなければならない時が来ています。私達は神の怒りを畏れなければなりません。最も真実な意味において、誰が真のアメリカ人でしょうか。真のアメリカ人とは、宇宙的な心を持った人々のことです。真のアメリカ人は、神が願っておられるように皮膚の色や国籍を超えて、人類一家族という理を信ずる人々です。真のアメリカ人はそのように国際的な家庭と教会と、そしてあらゆる民族から構成される国を誇りとする人々です。
神の目の中には、黒人もなければ、白人も黄色人種もありません。私達は人種というものを神が見るように見なければなりません。アメリカは真のアメリカ国家の精神、そしてその祖先が汗と血をもって建てたいと求めた理想に立ち返らなければなりません。アメリカは絶対的に神を中心とした理念、神主義(ゴッドイズム)に立ち戻らなければなりません。
神がアメリカ独立の動機であり、原因であり、また基であります。アメリカは神の摂理により生まれました。もし私達が神を中心にしているならば、私達は変わることなく一つであり、繁栄に浴することができるでしょう。しかし、私達が神から離れるとするならば、その瞬間に分裂してしまうでしょう。
紳士淑女の皆さま。もしアメリカが世界の指導国家として神の祝福を受け続けたいとするならば、アメリカは神とのパートナーシップを形成しなければなりません。あなたの家庭に神はいますか。あなたがたの社会や国家に神がいますでしょうか。神はセメントのような存在です。神と共にあってアメリカははじめて、コンクリートのように固く結合していることができるでしょう。しかし、もし神が去ってしまうなら、アメリカは砂のようなものです。いったん洪水が起これば、すべてが洗い流されてしまいます。
神の国建設がアメリカの使命
アメリカの偉大さと誇りは、神からきています。神と共にあってアメリカは祝福を受け、最強の国でいつづけることができます。神と共にあってあなたがたは、威厳と世界のリーダーシップを保つことができます。しかしもし私達が、アメリカから神を立ち去らせてしまうならば、この国は衰亡し、アメリカはサタンの手で征服されるでしょう。それが現実に起る時、アメリカの未来は悲惨で悲劇的なものとなるでしょう。アメリカは生きながらの地獄となってしまうことでしょう。
神の祝福が大きく、それを受ける者が神の御旨を投げ出す時、神の罰はそれほど大きいものとなります。一九六〇年代の初頭、アメリカは世界の希望のようであり、そのアメリカの象徴はニューヨークでありました。しかしながら今日では、世界がアメリカに対する信望を失い。ニューヨークは不道徳と退廃のジャングルと化してしまっております。ニューヨークは悪の襲撃をほしいままにする都市に変貌してしまいました。
シカゴもそれと何ら異なるところがありません。ロサンゼルスも同じです。アメリカ全土でサタンがその主人となってきております。神はこの国で忘れ去られてきております。もし神が忘れ去られたならば、神はアメリカを離れ去るより仕方がありません。現在はまさにこのようなことが起こりつつある時なのです。
もし神の結合力がアメリカから去ってしまうならば、アメリカを一体化させることのできるものは何もなくなってしまうでしょう。家庭は崩壊し、教会は分裂し、アメリカはその体の細胞がこわれているために、致命的な病にかかってしまうでしょう。そうなるならば、それは共産主義の害悪がアメリカを支配下に置く、最高の機会となるでしょう。そのような緊張事態がここに存在するのです。誰かが何かをしなければなりません。
こんな批判をする人があります。「レバレンド・ムーンはなぜアメリカの二百年にそうまで深くかかわりあっているのか。それは彼にとって何ら関係のないことだ」。紳士淑女の皆さま、もしあなたの家で誰かが病気にかかった時、私達は外部から医者を呼ぶ必要がないでしょうか。あなたの家がもし火事になったならば、あなたがたは外部から消防士を呼ぶ必要がないでしょうか。神は私を、医者の役割を演じさせ、消防士の役割を演じさせるためにアメリカに遣わされました。これが私のアメリカにまいりました理由です。良い薬は口に苦いかもしれませんし、手術は若干の痛みを伴うかもしれません。しかし処置はただちにとり始められなければなりません。医者が患部に触れる時、患者は不平を言いながら、その手を払いのけるべきなのでしょうか。
ここ三年の間に、私は全身と全霊を注いでアメリカの青年に神からの啓示を教え続けてきました。彼らは今や、神を中心とした家庭、教会、そして国家がどのようなものであるべきか、はっきりとした考えを持っております。彼らはまた、アメリカの暗い現実についても知っています。こうして彼らは、手遅れにならないうちに、アメリカに新しい生命と、救いをもたらすために強い決意した闘士となっています。彼らはアメリカの危機的な状況を知っています。彼らは神の嘆きの心を知っています。また彼らはその潮流を神の方に押し戻す絶対的な決意を持っております。彼らの情熱は見るからに美しいものです。
献身したあなたがたの子息子女は神の御旨の勝利のために活動する神のチャンピオンです。彼らは神の最前線に立ち、悪に対する宣戦を布告して、この高尚なる戦いを勇敢に戦っております。私達は悪を克服しなければなりません。この地上に神の国を建設することが私達の使命です。それ故に私達は、神が最も愛し、準備してきたまさにここアメリカに神の国の雛形を建設しなければなりません。
新しく起ってきた精神的試練
紳士淑女の皆さま、これらの青年達が倦むことなく働いていることを覚えておいて下さい。彼らの心は、涙も嘆きもない世界を造り出すために、涙と嘆きで満ちています。これらの青年達は、闘争も苦痛もない世界を造り出すために闘い、苦しんでいます。私達の願いは、サタンに対する神の戦いであります。神のために、私達はたとえどのような犠牲があろうとも、決して後退することなく勝利するでしょう。
私が迫害されているかどうかが重要なのではありません。私はただ、神の御旨と神が私に与えられた使命について関心を持っているだけです。私が心配しているのは、事情をはっきり知らないが故に、あなたがたが神の御旨に反対するようになることです。もし私のしていることが神の御旨でなかったとすれば、いずれにしろそれは大したことにはなりません。しかし、もし、私のしていることが神の御旨であるとするならば、一部の人々がいかに私達を排撃し迫害し、その道を妨害しようとも、この使命は達成され成功するでしょう。
レバレンド・ムーンはなぜ、そのような苦難を受けるアメリカに来たのでしょうか。私は自分自身の栄誉を追求しているのでしょうか。金が私の目当てでしょうか。あるいは権力でしょうか。いいえ、決してそうではありません。私がアメリカに来たのは、この国が私達の天なる父、神がお選びになった国であるからです。私は神の心情を知っているが故にアメリカに来たのです。私は、たとえアメリカが神に反逆しようとも、神はこの国を見捨てないことを知っています。
神の御旨はアメリカを、世界の国々が習うことのできる神の国の雛形とすることです。私は神の御旨は世界を救うことであり、そうするためにはアメリカが先頭を切らねばならないことを知っています。これが私がアメリカに来た理由であります。神と共にあれば、あなたがたは勝利し、サタンとともにあればあなたがたは滅びるでしょう。
紳士ならびに淑女の皆さま。二百年前、大陸陸軍のあなた方の勇敢な祖先達は、神への信仰をもって、アメリカ革命-独立戦争を戦いました。ジョージ・ワシントンはフォージ峡谷で、ひざまずいて神の介在を求め、彼とその軍隊は不滅のイギリス軍を打ち破ることができました。神の介在によってのみ、彼らはその戦争と、アメリカの独立を勝ちとることができたのです。その瞬間、神はアメリカに「土地の基盤」を置きました。
約百年後、神の御旨に反して、このアメリカで奴隷制と人種差別が行われるようになった時、神は神のチャンピオンとしてアブラハム・リンカーンを起こし、南北戦争に勝利させ、奴隷を解放し、あらゆる人々が平等であることを認めさせました。このようにすることにより、神はアメリカに、人種と国籍を超える「人の基盤」を置きました。しかしこれはそれでも、外的なテストでありました。
二百年後の今日、アメリカはよう一つのテストを受けています。今度のテストは内的もしくは精神的なものです。それは宗教的なテストであり、歴史的、理念的なテストであります。世界のもう一方では、神を否定する共産主義というイデオロギーが起っており、自由世界に対して全面的攻撃を行おうとしております。アメリカを滅ぼすことは、共産主義の最大にして最終的な目的であります。彼らはアメリカが地上における神の最後の橋頭堡であることを知っています。これは、何よりも、アメリカが神の国家として立つか、あるいは滅びるかのテストであります。
アメリカはこの戦争に単独で勝つことはできません。アメリカは神を必要としています。このテストにおいてあなたがたは、すべての真理とすべての真実の理念である神なくしては勝利を得ることができません。神を承認する世界と神を否定する世界と、この両陣営の間で、対立は避けられません。それは思想の対立です。そのためアメリカは、神のチャンピオンとして、あらゆる人種と国籍の一致団結をもって、無神論共産主義に対し思想的に世界的規模で勝利をなさなければなりません。私達の神に対する信仰は、彼らの共産主義に対する信仰よりも強くなければなりません。アメリカは神の御名において勝利しなければなりません。このようにして、神はより高い次元で「新しい世界理念の基盤」を設立されるでしょう。
アメリカの祖先達は、ヨーロッパの宗教的迫害を逃れて新世界にやって来ました。彼らは「神のもとにある一つの国家(ワン・ネーション・アンダー・ゴッド)」建設の精神で、この地に新しい国家をもたらしました。それが、今や第三世紀の門口にいるこのアメリカなのです。これと同じように、今日では奴隷的共産世界から自由世界へと、人々が逃れてきています。多くの人々が、その宗教的信念と思想的相違のために迫害されました。今や神を中心とした新しい世界を建設するために、これらの人々の団結する時がきました。自由世界は団結して、奴隷化された共産主義世界を解放しなければなりません。このたびの私達の仕事は「神のもとにある一つの世界」を建設することであります。
地上天国めざし勇気ある前進を
これを成し遂げるには、世界のキリスト教が一つにならなければなりません。教会は分派主義から自らを解放しなければなりません。教会は抜本的な改革を行い、超教派で超宗派の宗教統合を達成しなければなりません。このためには私達にとって、精神的な霊的革命が必要です。私達には新しい理念が必要です。そしてその新しい理念は東洋的哲学を伴合し、東洋と西洋の両文化を統合するものでなければなりません。
この新しい理念は、世界中に現存するすべての宗教と理思想を統一することもできるでしょう。そのため、それは新しい宗教的もしくは精神的な運動の形となってすでにきているのです。統一教会の運動は、この目的を満たすために神によって創造されました。この精神的運動は世界中に広められるために、まず、このアメリカで成功しなければなりません。統一教会がもたらしたその新しい理念は「神主義(ゴッドイズム)」です。絶対的に神を中心とする理念です。それはアメリカを目覚めさせる力を持っており、この地上に神の理想とする国のモデルを勃興させる力を持っています。
それがなさることによって、他の世界の国々がアメリカの例に見習い、それぞれの国に神の王国を築き上げるでしょう。その時私達はみんな本当に、一人の父なる方、神のもとで兄弟になり、姉妹となることでしょう。これは愛の世界です。幸福の世界です。私達の惑星、地球は一つの家庭となり、人類は一つの家族となるでしょう。神の御旨、神が時間の始まりから長い年月をかけていつくしんできたその願いが、ついに満たされるでありましょう。これは永遠の理想の、神の世界です。それは実に地上の、神の王国でありましょう。
これが私達の至上の使命です。それはまさに神の与え給う神聖な使命です。神は世界に向かって泣いておられます。私達はそして、神の道具です。世界は神の叫びに応えなければなりません。神の命令に耳を傾けなさい。地上の神の王国めざして勇気ある行進を始めなさい。どんな困難も私達をとどめさせることはできません。私達の行進は神のものです。それは最後のところまで行きつくでありましょう。
私のいとおしいアメリカ市民の皆さま、今日私達は全能の神に、この神聖なる使命を満たすための私達の忠誠と献身を誓いましょう。紳士淑女の皆さま、神の御名において団結し、ともに地上の神の王国、地上天国を築きましょう。
私達は共に神の前に、一緒に感謝を献げましょう。世界万民の名において、私に、偉大なるアメリカ、二百回目の誕生日おめでとう、と言わせて下さい。神があなたがたを祝福しますように、神がアメリカとその第三世紀を祝福しますように。